韓国の会社で働く枝豆

韓国で働きたいあなたへ: 外国人を雇いたくても雇えない事情

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みなさんこんにちは、枝豆セムです。なぜかVisaカードの写真が出ていますが、今日はクレジットカードの話ではなく、韓国のビザのお話です。昨日、「韓国で働きたいあなたへ: 現地の企業が在韓日本人に求める条件」というタイトルで就活する人に求められる条件の話をしましたが、今日は立場を変えて雇用者側の立場から考えてみたいと思います。

日本での就活の時もそうでしたが、なかなか雇用者の立場で考えろと言われても雇用者になったことがないんだからわかんない、という意見が大半だと思います。今回は以前雇用者になりかけたわたくしセムの経験から外国人を雇いたくても雇えない雇用者の事情についてのお話をしていきたいと思います。

求人情報にいつも書かれている「ビザに問題のない方」の意味

おっ、と思う魅力的な韓国の求人情報で必ずついてくるのが「ビザに問題のない方」という条件。これを見るたびにくそおぅぅぅっ、と拳に力が入った方も少なくないことでしょう。ではそもそも「ビザに問題のない方」とは何ぞやというところから、なんでそういう人が求められるのかを見ていきたいと思います。

ビザに問題のない方ってどんな方?

簡単に言うと就労に制限がないビザを持っている人、厳密にいうと、その仕事ができるビザをすでに持っている人、つまり企業が労働者のために就労ビザを発給する必要がない人のことを指します。

たとえば制限はありつつも働ける人というのは留学など他のビザで来ているけど資格外活動許可を得ている人だったり、ワーキングホリデービザで来ている人など(職種に一部制限あり)。ただ、これらの人には働ける職種や勤務時間、勤務期間の制限があります。それでも特定の期間、職種においては「ビザに問題のない方」になれます。

(例)ビザが残っている期間に限定すれば、ワーホリビザ(H-1)所持者は「ビザに問題のない方」に該当します。(日本語教師や士業などの一部専門職種を除く)

または結婚移民者(F-6)や永住権保持者(F-5)などの場合は韓国での就労に制限がありません。一般的に企業が考えている「ビザに問題のない方」といわれるのはこのグループに属します。

どうして企業は「ビザに問題のない方」を採用したがるのか

次に、就労ビザを出す際に企業が抱えるリスクについての話をしたいと思います。これについて知っておくと、企業はなぜ「ビザに問題のない方」を雇おうとするのかがわかってきます。

企業の立場におけるビザ発給のリスク

あなたはどこの誰かもわからない外国人労働者の身元保証人になれますか?

これにすぐにYES!と答えられる人はまずいないと思います。就労ビザ発給というのはすなわちそういうことなのです。この外国人が韓国国内で何かあった、または何かやらかした時に、あなたの会社は責任能力がありますか?ということを入管からさんざん聞かれ、それを証明する書類も必要です。だからビザ申請の際にはあれこれ書類を求められます。これは雇われる外国人労働者だけでなく、雇う側の企業にも求められることです。

ビザを発給し、外国人を招聘する(しょうへい-する・礼を尽くして人を招く)ということは企業もそれなりのリスクを抱えるということです。つまり雇用者と被雇用者が運命共同体になるということなのです。

「ビザに問題のない方」には企業が身元保証をしなくてよい

それに対し、「ビザに問題のない方」というのはすでに身元保証人が存在する状況で韓国に滞在しています。ワーホリビザの場合は日本国が、留学ビザの方は通っている学校が、結婚移民や永住権保持者の場合は大部分が配偶者または直系家族が身元保証人です。わたしの身元保証人もセムダー(夫)です。セムダーはわたしのことを信用して身元保証人になってくれたわけですが、どこぞの知らない人だったらきっとお願いされても断っていたことでしょう。

そういった意味で「ビザに問題のない方」たちは外国人を雇用する上でのリスクを大幅に減らせます。就労時間や職種の制限なし、身元保証人にならなくてよし、といいことずくめなわけです。もしまったく同じ条件を持っているとして、ビザを発給しないと働けない応募者と「ビザに問題のない方」に該当する応募者がいた場合、後者を採用したいと思うのは企業側の立場としては当然のことだと思います。

もう一度聞きます。

あなたはどこの誰かもわからない外国人労働者の身元保証人になれますか?

「ビザに問題のない方」に頼らざるをえない理由

企業にとってもビザ発給は難しい

これは韓国の企業でもなかなか知られていないことのですが、企業にとっても就労ビザを発給するのは簡単なことではないのです。外国人を雇いたくても雇えない企業は実はたくさんあります。うちの会社も雇いたくても雇えない会社のひとつなのです。(ビザに問題のない方なら雇えますが…)

外国人じゃないとできない仕事であると証明しなければならない

企業として外国人に対し就労ビザを発給するためには、上にもあるように身元保証ができるだけの要件を兼ね備えていないければなりません。給料を払えるというだけではだめで、ビザ発給ができる業種、業務内容にも厳しく制限があります。「我が社の当該業務は韓国人に取って替えることができない業務で、特定の分野に対する専門性を持った外国人の雇用が必要不可欠である」ということを書類によって証明しないといけないのです。ですので被雇用者の専門分野とまったく異なる業務内容に対して企業は就労ビザを発給することができません。単純労働についてもそれは同様です。

そういった意味では語学指導のビザは比較的許可が下りやすいビザといえます。なぜなら外国語教育においてその国の言葉を話す人が指導者として必要なため、当該国を母国とする外国人を雇用せざるとえない、というわかりやすい理由が存在するからです。

被雇用者(外国人講師)に対しては指導する言葉の母国の大学を卒業していることを証明する書類が求められます。たとえば日本の大学で英文学を専攻した人は韓国で日本語教師になることはできても、英語教師として就労ビザを取得することはできません。

他にも何かあったときに対処できるかどうかなどあれこれと入管から必要書類を求められます。これだけであああーっと叫びたくなるのですが、書類をそろえても許可が下りるかどうかは別の話。雇用者と被雇用者、両者の条件がきちんとそろってはじめて晴れてビザ発給許可、日本の韓国大使館でビザもらって入国、お仕事開始という流れになるのです。

就労ビザ出しますよ!と簡単にいう企業は要注意

内定先からビザ出しますね~と言われてあれこれ書類をかき集めて提出したけど結局ビザ発給の許可が下りず、「やっぱダメだった、ごめんね! 」という一言で済まされ、ビザもほとんど残ってないから超スピードで荷物をまとめて帰国せざるをえなくなったという人が巷にはたくさんいます。特にワーホリで働いた会社に気に入られて「もうちょっとここで働いてよ」という流れになった時にこの問題に遭遇する人が多いと聞きます。

韓国側での手続きが終わり、日本で韓国領事館に出向いてパスポートにビザのシールが貼られ、無事に入国するまでが海外就職です。内定の時点で終わりではないことを忘れないでおいてほしいと思います。

わたしくセムも以前、卒業間近の外国人留学生(韓国の大学を卒業予定)を雇用しようとしたことがあり、関係各所の支援もあり、とある応募者と面接までしました。合格、不合格の前にビザの要件がかなうかどうかチェックしたのですが、残念ながら双方の要件がそろわず雇用を諦めることとなったのです。応募者の方にも大変申し訳ないことをしましたが、こちらも外国人居住者たるもの不法滞在者をわが社で生み出すわけにはいきません。仕方ないですがその旨を通知する流れとなりました。

このように雇いたくても雇えないという事情があることもぜひ知っておいてもらいたいのです。そして前回の記事(韓国で働きたいあなたへ: 現地の企業が在韓日本人に求める条件)と合わせ、企業側の事情を知っておくことで韓国での就職にプラスにつながればと思います。今後TwitterやFacebookなどでの個人的なアドバイスには一切お答えできませんが、この記事が何かのお役に立てれば幸いです。


週末なのに長い文章2本立て、お付き合いいただきましてありがとうございました。韓国は今日から連休です。それではみなさまよい週末を!

2本立ての続編、第3弾はコチラです!

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